最下段にゴッホ所有のちりめん絵の画像が掲載してございます。ご参照ください。

【ちりめん絵・佐藤乕清板・当世美人合】 サイズ２５ ×1８,5cm
このちりめん絵は左端に「佐藤乕清」と出版名が記載されています。この出版者は明治中期の小規模な出版業者ですが、ゴッホの所有していた下記のちりめん絵その他２点を出しており、いせ辰と並んでゴッホと縁がある業者の一つです。
ちりめん絵について ちりめん絵は今では日本よりも海外で有名になっています。
その理由は、ゴッホがこれを愛好して自分の作品にその特徴を取り入れ、多くの傑作を生み出したために、アムステルダムのゴッホ美術館がホームページ内に“ Crpon ”(ちりめん絵)という項目を多国語で設け、それを見る人が国際的に増えたためです。
日本語版では”縮緬絵 “という見出しになっており、グーグルで「縮緬絵」または「ちりめん絵」と入れて検索すると、トップにゴッホ美術館の当該サイトが出てきて、きれいな画像と詳しい説明があり、冒頭の部分は次のとおりです。
「ファン・ゴッホの浮世絵コレクション中、いわゆるクレポン（ちりめん絵）と呼ばれる版画は17点ある。
この浮世絵は和紙に刷られた普通の色刷り木版画であるが、刷った後に紙が縮んでしわができるようにプレスして加工される。 このしわが布のように見える。クレポンはほとんどが日本で輸出用に生産された。主題は花と鳥かヨーロッパで売れそうな装飾的な図柄であった。
クレポンの多くが非常に派出な色彩であった。ファン・ゴッホのコレクションのクレポンがすでにかなり褪色していることを考えると当時は相当にどぎつい色であったはずである。
クレポンに用いられたのは当時のヨーロッパの最新のインクで、明治時代(1868-1912年)に日本に輸入された。
ファン・ゴッホは特にこの強烈な色彩の浮世絵に惹きつけられ、所蔵していたクレポンのほとんどをアトリエの壁に飾った。
このサイトの最後にはゴッホが持っていた縮緬絵すべての画像が掲載され、個々の解説も付いているので便利です。
長谷川武次郎が出版したちりめん絵の日本昔話その他については、内外でかなりの論考や研究書が出ていますが、ちりめん絵に関しては非常に少なく、専門的な研究書とは次の１冊だけです。
「ゴッホを育てマティスを生んだちりめん絵」2021年 アマゾン電子出版とペーパー版、この本にはちりめん絵の製法と歴史について、またゴッホとマティスに与えた大きな影響について詳しい説明がのっており、末尾には内外の参考資料100種が記載されていて研究の手引になります。

コンディション 余白部分に小さなシミのような、色移りのようなものが散見され、殆ど目立ちませんが、絵の下の部分に直径５ｍｍ穴が見られます。
和紙のしわ、よれ、歪みはちりめん絵に見られがちな特有のものです。 他は良い状態です。画像をご参照ください。
百数十年余の作品です。経年劣化がありますことを予めご了承ください。

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